トキとの共生を目指す登米市~「おかえりトキ」する日を願って~シンポジウムに参加しました。渡辺竜五佐渡市長の基調講演「トキと共に持続可能な農業へ」と、呉地正行日本雁を保護する会会長の事例報告「ガンが渡り、トキも舞う、登米の空」の事例報告は大変示唆に富むものでした。
佐渡市では2007年に、国の特別天然記念物・トキの餌場確保と生物多様性の米づくりを目的とした「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」を立ち上げ、独自農法による佐渡産コシヒカリのブランド、「朱鷺と暮らす郷」を生産しています。市内産のお米に環境の付加価値をつけブランド米として販売する市長のお話しには、政治のリーダーシップを感じました。
また、蕪栗沼をフィールドとして長年活動している呉地さんからは、世界的に生物多様性が消滅している状況のなかで、登米市は歴史的にも環境的にも、渡り鳥をはじめとして様々な命が暮らせる貴重な場所であるとのお話しがありました。
登米市では、2015年に宮城県で初めて「とめ生きもの多様性プラン」を策定しました。環境保全米の発祥地として8割の生産者の方々が減農薬による米づくりに取組まれています。さらに令和6年度中にオーガニックビレッジ宣言も行う予定です。
生き物と共生する環境づくり・まちづくりは、その価値を多くの人が理解すること、官民協働で磨き上げていくことが重要だと感じました。それを重ねることで、市民の誇り、交流人口や移住・定住人口の増加につながるのではないでしょうか。